この記事では、公務員が不動産投資した場合の副業としての届出の有無、規定・節税について解説します。加えて、成功例も紹介しているので、不動産投資を検討している公務員の方にとっては効率よくノウハウを吸収できます。
一方で「公務員の不動産投資はバレるのか?」と心配されている方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、規定に則って届け出れば違法ではなく、過度に心配する必要はありません。
むしろ、昨今の不安定な日本の国情において、現物資産としてインフレに強い不動産投資を検討するのは賢明な選択といえます。
公務員の不動産投資はバレても副業にならない範囲でOK
公務員の不動産投資は、一定の条件下であれば副業に該当しません。そのため、バレても罪に問われません。気になる一定の条件下とは、以下の4つの項目をクリアした状態です。
そもそも公務員は営利を目的とせず、国や地域のために働くための職業です。そのため、基本的に副業は禁止されていますが、勤務先や人事院の承認を得た場合は認められます。

また、上記のとおり一定条件下の不動産投資であれば、勤務先や人事院の承認も必要ありません。
公務員が不動産投資の際に知っておくべき基礎知識

公務員が不動産投資する際に、知っておくべき規定を示した法律は「国家公務員法」と「地方公務員法」です。
このうち国家公務員法第96条と、地方公務員法第30条の条文に注目してください。ここには「すべての公務員は、奉仕者として公共の利益のために全力で専念しなければならない」との内容が記されています。
こちらは国民の税金によって活動する公務員ゆえの「職務専念義務」です。
副業などで本業がおろそかになることは許されず、基本的に国や地域のために働かなければなりません。
そのため、小規模の不動産投資であっても、公務員としての職務に支障が生じない配慮が求められます。
公務員の不動産収入は副業に該当するか規定を確認
国家公務員法第103条には、次の規定が明記されています。
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
引用元:文部科学省「8.国家公務員法」
さらに、地方公務員法第38条にも、同様の内容が記されています
しかし、見逃してはならない重要な条項も存在しています。具体的には、国家公務員法第103条第2項「所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」の一節です。以下表をご参照ください。
| 人事院の承認・任命権者の許可が必要 | 人事院の承認・任命権者の許可不要 |
| 営利目的の大規模農業一定規模以上の不動産賃貸経営一定規模以上の太陽光発電事業 | 投資謝金としての講演・作家活動営利目的でない小規模農業一定規模未満の不動産賃貸経営一定規模未満の太陽光発電事業 |
つまり、公務員でも条件次第で副業は可能であり、不動産投資も一定の範囲内であれば問題ありません。
公務員は社会的信用が高く不動産投資の際のローンに有利
公務員は社会的信用が高いため、不動産投資における金融機関からの融資審査が通りやすいといわれています。その理由は、収入の安定が保証され倒産もせず、まとまった退職金による一括返済も可能だからです。
また、常日頃から公共のために働いているため人望も厚く、信頼性は抜群です。したがって、公務員の職業は、不動産投資のローンに有利に働きます。
公務員の確定申告・青色申告が必要になる収入
公務員として、たとえ一定条件下の不動産投資であっても、以下の一つにでも該当した場合は確定申告・青色申告が必要になります。

また、医療費が一定の額(10万円、もしくは所得の5%)を超えた場合にも、確定申告をした方が賢明です。なぜなら、超過分が控除され、還付金がもらえるからです。
公務員が不動産投資できる条件と範囲を解説

公務員は基本的に副業は禁止されていますが、許可を受ければ問題なく行えます。不動産投資の場合、資産運用にカテゴライズされるため、厳密には副業にあたらず許可も必要ありません。
しかし、事業規模が大きくなり本業に支障をきたす場合は、許可を得なければ罰せられてしまいます。
ここでは、そうした公務員の副業と不動産投資の関係性、許可申請の必要な手続き等について解説します。
不動産投資の上限と公務員が守るべき事業規模
公務員の不動産投資の上限と守るべき事業規模については、人事院規則14-8において詳しく記されています。以下は、公務員の不動産投資として届出が必要なケースの一覧です。
| 不動産の賃貸 | 独立家屋の数が5棟以上 貸与室数が10室以上 土地の賃貸契約が10件以上 商業施設・設備の設置 旅館・ホテルなど特定業務による利用 |
| 駐車場の賃貸 | 建築物・機械設備がある 10台以上駐車可 |
| 賃貸料収入の額の合計額 | 年額500万円以上 |
上記に満たない事業規模であれば、届出は必要ありません。念のため、列記します。
- 所有不動産は5棟10室未満
- 賃料収入は500万円未満
- 管理業務を行わない
- 駐車場は10台未満
また、相続不動産や特定の企業と利害関係が生じないなど、個別の事由で認められるケースもあります。
不動産投資の届出について公務員に必要な手続き
不動産投資の届出における公務員に必要な手続きは、所轄の長への「自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)」の提出です。
「自営兼業承認申請書」は人事院のホームページからダウンロード可能です。
個人情報、不動産の詳細や賃貸収入の額、管理方法などの記載が求められます。また、添付書類として不動産の契約書なども必要です。
許可に時間を要したり、却下されたりする可能性もあるため、早めに申請を提出するのが望ましいでしょう。
公務員が不動産投資するメリットを徹底解剖

収入が安定して勤務先が倒産する心配もない公務員は、不動産投資において、かなりのメリットを享受できるといわれています。「その通りである」と、頷く方が多いのではないでしょうか。
ここでは、公務員が不動産投資をする場合に、受けられるであろうメリットについて解説します。
安定した公務員だからこそできる長期的な不動産投資
安定収入で倒産しない公務員の金融機関における信頼は絶大なものがあり、さらに景気の影響を受けにくいため、銀行からの融資を受けやすい傾向にあります。
民間企業のサラリーマンや一般人が受けられない低金利のフルローン審査などにも、合格しやすいでしょう。
公務員の収入に加え安定した不動産収入で資産形成を加速
公務員は、基本的に減給されず、毎年の昇給ペースが決まっています。そのため、不動産投資などの副収入があると、資産形成が加速化され、老後の計画が立てやすくなります。
また、物件選定や経営計画に時間と労力を費やすとしても、管理運用は業務委託が前提のため、本業の妨げにもなりません。
入退去の手続きやトラブル対応も任せられるため、手が回らず運用の業績が悪化する事態も避けられます。
インフレ対策としての不動産価値と実物資産の強み
公務員の不動産投資はインフレ対策に最適です。なぜなら、物価が上がっている状況下での不動産投資は、賃料収入も増加する可能性が高く、将来の売却益も期待できるからです。
そもそも、物価高騰時には現物資産による運用が望ましいとされ、中でも不動産投資はもっともインフレに強いと言われています。安定収入の公務員にとって、長期保有により資産形成していく不動産投資への着手は、少しでも早い方がよいでしょう。
公務員が不動産投資で収入を得るための具体的な方法

公務員が不動産投資で収入を得るために重視しなければならないのが物件選びです。一度購入した物件の立地は変更できません。
そのため、建物の構造や設備の耐久性にも留意しながら、立地重視で安定した需要がある物件を選ぶのが望ましいでしょう。
また、最低でも定年退職までの長期的な安定運用を重視した選定基準が重要となります。

ここでは、公務員が不動産投資で収入を得るための詳細なポイントについて解説します。
公務員の不動産投資・マンション投資がおすすめな理由
公務員には職務専念義務があるため、FXや株のような仕事の合間に相場を気にしなければならない短期的な投資は不向きです。長期スパンで資産運用でき、かつ管理の手間が少ない不動産投資が適しているといえます。
したがって、公務員として投資を始めるなら、安定収入を元手に管理を業務委託する形での、不動産投資やマンション投資がおすすめです。
公務員が手軽に始められる不動産投資の種類
公務員が手軽に始められる不動産投資の種類として、4つの選択肢があります。4種それぞれの特徴と注意点を比較表にまとめました。ご参照ください。
| 種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 区分所有マンション投資 | 少資金で始められるため資金計画が立てやすい | 管理費や修繕費のコスト把握が重要 |
| 不動産投資信託(REIT) | 手軽に少額で不動産投資できて流動性の高さが魅力 | 投資先選定の慎重さと市場動向の把握が必要 |
| 不動産クラウドファンディング | 少資金で手軽に始められて透明性が高い | 大規模不動産が対象であり、流動性が低い |
| 一棟アパート・マンション投資 | 複数部屋の賃貸によりリスク分散で安定収入 | 管理費や修繕積立金などのコスト把握が重要 |

不動産投資においては、物件の立地条件と価格とのバランスが重要なポイントとなります。
公務員の不動産投資における物件選びのポイント
公務員の不動産投資における物件選びのポイントとして、以下の4つを重要視します。
- 需要の安定性:地域の人口の推移
- 交通アクセス:最寄り駅やバス・幹線道路との距離
- 生活利便性:生活インフラ
- 都市計画の有無:将来的な開発計画
一度購入した土地は動かせないため、慎重のうえにも慎重を期した選択が必要です。
準備段階での情報収集を徹底し、できるだけ成功確率の高い不動産会社を選びましょう。また、投資初心者の方は、少額からのスタートが推奨されます。
公務員の不動産投資ローン・融資|選び方のポイント
公務員は安定した職業ゆえ、長期投資である不動産投資に適した職業といっても過言ではありません。しかし、その信用力の高さから悪質な業者に狙われる確率も高くなります。
業者選びは最も重視すべきポイントであり、第三者の意見を組み入れた慎重な選択が望ましいでしょう。
また、公務員であることから有利な条件を提示されるケースや、フルローンを組みやすいといった利点はありますが、その分リスクも伴い、慎重な行動が望まれます。返済負担が大きくなるため、綿密な計画とリスク管理が不可欠です。
そして、効率的な物件管理のために管理会社への業務委託を忘れてはいけません。常に副業規定に留意し、収支計画を立てて着実に利益を積み上げていくのが望ましいでしょう。
公務員の不動産投資で気になる成功例と失敗事例

公務員による不動産投資は、そのメリットの大きさからこれまでも多数行われてきました。
ここでは、公務員としての不動産投資の成功事例と失敗事例を紹介します。今後の参考にご一読ください。
公務員の不動産投資の成功事例:収入アップと節税効果
公務員の方は、その職業の特性から地域活性化や地域貢献に深い関心があり、ときには寝食を忘れて打ち込む方も少なくありません。そんなひたむきな情熱で、商店街の4階建の中古一軒家を購入した方がいます。
1・2階をイベントスペースとして運営、3・4階を自宅としたおかげで増収と節税のメリットを享受しています。
イベントスペース兼住居には住宅ローン減税が適用され、運営による収益が年30万円ほど増えました。また、交際費や什器購入、水道光熱費などは、経費計上できるため大きな節税となります。
兼業申請したら、周囲も大賛成で応援してくれているとのことです。公務員の職業特性を活かした成功例といえます。
公務員の不動産投資の失敗事例:落とし穴と対策
公務員だから余裕でローンを組める、と勧められるままに借入金3億円で新築アパートを購入した方がいます。しかしその後、提出した預金通帳が融資審査通過のために改ざんされていたと知らされます。
早期発見できたので大事には至らなかったのですが、危うく詐欺の仲間扱いされるところだった、と胸を撫でおろしたそうです。
書類の改ざんが、不動産業者や金融機関どちらの主導であったとしても、そこには業績を優先する姿勢が色濃く表れています。業者の選定に慎重を期すのはもちろんのこと、可能であれば契約前の重要な場面には、自らも同席することが望ましいでしょう。
公務員は職業柄、平和的解決を望む温厚な方が多い傾向にあり、強引な営業に押し切られて契約させられるケースも少なくありません。専門家や親類縁者を含む第三者への相談、慎重な選択が不可欠です。
公務員が不動産投資で賢く節税する方法

公務員の方にとって不動産投資は節税メリットの高い資産運用方法の一つです。
ここでは、公務員の不動産投資所得における確定申告の概要と手順、節税方法について詳しく解説します。
不動産所得における青色申告のメリット
公務員が不動産所得で青色申告を選択すると、以下の税制優遇措置を受けられます。
※5棟または10室未満の不動産投資は、いわゆる「事業的規模」に該当せず、青色申告特別控除の上限は10万円にとどまります。

こうした節税効果は、確定申告してこそ得られるものです。
公務員の不動産所得における確定申告の書類と手続き
公務員の不動産所得における確定申告には以下の書類を用意しなければなりません。
公務員の不動産所得における確定申告の手続きは、以下の流れに沿って行います。
なお、確定申告の受付期間は、通常2月16日〜3月15日締切です。
不動産所得の赤字は給与所得と損益通算可能
不動産所得の赤字は、公務員としての給与所得と「損益通算」ができます。
不動産所得の場合、どうしても初期投資が嵩みがちで、初年度は赤字のケースが多くなります。この赤字を公務員の所得から差し引いて「損益通算」すると大幅な節税になります。
それでも赤字が残る場合、翌年以降3年間繰り越して控除できる「繰越控除」も可能です。
経費として認められる範囲と上手な計上方法
公務員の不動産投資において、収入から差し引ける「経費」には以下の科目があります。
- 税金(固定資産税・都市計画税・登録免許税・不動産取得税)
- ローン金利
- 減価償却費
- 管理費・修繕費
- 損害保険料(火災保険・地震保険)
- 仲介手数料・賃貸管理委託料
- 旅費交通費
- 通信費
- 消耗品費
- 専門家報酬

この他、自動車税や自動車重量税も経費として計上できますが、プライベートでも該当の車を使用する場合は、家事按分となります。
この記事のまとめ
結論として、公務員の不動産投資はバレても一定条件下であれば問題ないとわかりました。ただし、事前に報告しておくと、上司や同僚への印象も悪くはありません。成功事例にあるように、周囲を味方に人脈を拡げ、信頼できる情報網の獲得が重要です。後々の運用に必ずやプラスとなるでしょう。
公務員の方にとって不動産投資は、「やらないほうがデメリット」と言われるほど優遇された環境にあります。できるだけ、早い段階で着手して、複利効果を得ておくべきです。
この記事をもとに幅広く意見を取り入れていただき、お望みの未来を手に入れてください。











公務員の不動産投資の全体像を掴み、今後の人生設計にお役立てください。